若手歯科医の備忘録

大学で矯正を勉強中かつ実家で一般治療を勉強中の若手歯科医の備忘録のつもり

歯科でのクレームについて

 治療に慣れた気になり、慢心があったと自覚していたが、10月だけで自分に対するクレームが2件あった。いずれも矯正治療でのクレームで、勤務先の先生がいなくなったことで激務になり、荒さがあったことは否めないし、力をかける治療を教わっていたため、それに対する説明が足りなかった事が原因かと思われる。

 また、矯正の特殊性として、保護者から希望があっても、患者(子供)にはモチベーションがなかったり、また、1回の治療で成果が出ずに年単位の経過が必要であり、疼痛など差し迫った主訴を解決する一般治療はそれでニーズを満たせることに対して、矯正ではコミュニケーションや丁寧さで患者のニーズを満たす必要があるように思える。

 コミュニケーションは苦手としていることであるが、改善は必要であると思うし、また、最近は忙しさを言い訳に丁寧さが疎かになっていたと反省する。矯正治療についての反省はここまでとする。

 一般治療について、目立ったクレームを耳にしたことはないが、従事していて、患者及び術者が人であるがために患者の主訴を100%解決できるというではないと思う。特に、疾患の進行度(う窩の形態)や患者の個人差(根管の数、形状)などパターンが無数にあり、教科書通り自分の理想通りにいかないケースが存在する。根管治療を例に上げると、どんなファイルを使用しても、根管壁すべてを触る事ができず、可及的な起炎物質や細菌の除去しかできないことや、修復物が天然歯を超えることができないなど、ベストよりも最大限のベターを求めるという方が現実に即しているように思える。

 新しい技術、機器で難易度の高いテクニックを用いずとも仕上がりの良い治療を行う事が様々な治療で可能になっている。ベストは不可能にしても、可能な限りベストに近いベターであり続ける必要があると感じる。